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美は1日にしてならず


by miliardaria
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畠中恵 『 ゆめつげ 』  角川文庫

= 読んだ時期 2008年4月下旬 =

畠中恵 『 ゆめつげ 』  角川文庫_f0052756_024378.gif「しゃばけ」シリーズが大ブレイク中である筆者の最新文庫本。
舞台は幕末の神社業界。主人公の弓月は、「夢告」という占いができる弱小神社の神主さん。「夢告」とは、予知夢のような夢を見て、失せ物のありかを言い当てたりする占い。
だけど、弓月の夢告は、イマイチピント外れで、氏子の間では役に立たないので有名。
そんな弓月に、大手神社から豪商の行方不明の息子を占ってほしいという大口依頼を受け、それが殺人事件に発展し・・・という謎解き物語。

夢告ていう超能力がキーポイントになていて、筆者お得意の謎解きファンタジー。そこに「幕末の時代の変遷に翻弄される人々」というテーマを重ねてるんだけど、二兎を追うもの・・・でどっちも中途半端な印象。

謎解き自体は、うまく引っ張っていて飽きずに読めるけど、それでも使えないはずの弓月の夢告が突然役立ち始めたり、ちょっと短絡的というか薄っぺらな感じ。
最後に出てくる「時代に翻弄される人々」は、取ってつけたようでますますいけません。このラスト数ページのせいで、いっきに作品の評価も下方修正です。むしろない方が良かったかも。

ファンタジーと幕末をくっつけた作品として、浅田次郎の『憑き神』もありましたが、私は映画を見てラストシーンにドン引きしました。その感じに似てるかも。

《桃評》
 ★★★☆☆ (一応最後までイッキ読みできたので^^)
by miliardaria | 2008-05-22 00:21